本庄古墳群の保存管理計画とフィールドミュージアムへの展開

2015.4~2017.3|宮崎県東諸県郡国富町

国指定史跡本庄古墳群は、宮崎を代表する古墳群であり、市街地内に古墳が点在するという非常に珍しい立地環境を有しています。その特性を活かした、古墳群の保存管理のあり方を検討し、フィールドミュージアム構想まで展開しました。

29号墳

 

○保存管理計画

本庄古墳群では、他に類を見ない独特の立地環境から、古墳の部分的なき損等が進んでいました。また、多くが公有化されておらず、土地の状況から買い上げが困難だと考えられるものもありました。

このような状況を踏まえ、計画策定にあたっては、「古墳とともに暮らすまち」というテーマのもと、史跡とまちとの共存を図っていくための保存管理のあり方を検討しました。

検討の過程では、本史跡の有する古墳としての本質的価値に加え、江戸期や明治期から続く地域住民による顕彰の動きや、現在に至るまで愛着を持たれながら市街地と共存してきたことも史跡の価値としてとりまとめました。

また、「古墳カフェ」と題した計4回の地域ワークショップを開催し、住民のみなさんの古墳との関わりや保存の上での課題、整備活用のアイデアをお聞きしました。さらに、特別企画として「古墳ウォークラリー」を行い、楽しみながら古墳の魅力や価値を再発見することで、保存や活用の担い手となる住民への意識啓発を目指しました。

古墳カフェの様子

古墳カフェの様子

 

○フィールドミュージアム構想

国富町には本庄古墳群の他に、様々な歴史資源、伝統文化・自然等の魅力資源が存在しています。これらの資源を磨き上げ、活用へとつなげるために地域全体を屋根のない博物館と捉え、来訪者が地域に点在する魅力資源を巡るフィールドミュージアムを提案しました。

住民参加型の運営を基本とし、住民自身が地域や暮らしを見直し、価値を再認識することで、地域資源の整備・活用や地域活性化を図ることを目的としました。地域資源の抽出と国富町らしいストーリーの構築、個別資源の組み合わせによる多様なプログラム展開を、町民のみなさんと一緒に考えました。